未経験でも不動産エージェントになれる!

挑戦するあなたへ

はじめに

宅建を取得していても未経験、またはこれから宅建を取得する人から「不動産エージェントになれますか」という質問をよく受けます。
答えは「なれます!」
最初は誰もがゼロからのスタートです。資格がなくても、経験がなくても、不動産エージェントとして活動を始めることは十分可能です。ただし、実際に不動産仲介手数料という報酬を得て仕事として成功するためには、努力と現実の厳しさを乗り越える必要があります。ここでは、未経験者でもチャレンジできる理由と、業界で成功するために大切な考え方や行動について解説します。

不動産エージェントとは資格が必要?

良いか悪いかはわかりませんが、日本の宅建業法では、重要事項説明をする人は宅建士の資格が必要であり営業活動をするためには資格は特に求められません。よって不動産エージェントは、宅建士などの資格がなくても、または未経験であっても、活動を開始できる職業です。
― ポイント:誰もが最初はゼロからのスタートです。
ただし、実際に業務を通じて仲介手数料という報酬を得るためには、現場での努力とスキルの習得が必要となります。

業界の現実―楽に稼げる仕事ではない

どんな仕事も、稼ぐためには努力が不可欠です。

  • 現実を見据える:不動産業界では、案件を動かすために多くの時間とお金が必要となり、各社が必死に顧客や物件を奪い合っています。
  • 理解しておくべきこと:不動産エージェントは楽にお金を稼げる職業ではなく、現実は日々の努力や工夫が求められる厳しい分野です。

各社の採用戦略と働き方の違い

市場には様々な不動産エージェント募集があります。企業ごとに採用方針や働き方に違いが見受けられます。

「いくら稼げます!」というキャッチコピー

ある会社は、不動産経験者で顧客名簿を持っている人に最大90%の仲介手数料を支払うと謳っています。

もちろん手数料の金額が大きいということは、集客から実務まで全てを自らが行う必要があるでしょう。全て自分で完結するなら、独立も十分に可能ですが、諸経費などを考えると、フリーランスとしての活動を選択した方がよいと考える人には良いかもしれません。

経験・スキルに応じた仕組み

一部の会社では、未経験者でも月額の登録料(デスクフィー)を支払い、その登録費用に応じて仲介手数料のパーセンテージが変動するシステムを採用しています。

各社の集客方法や教育体制はさまざまで、多様な働き方が広がることは業界全体にとってプラスの要素です。

企業選びのポイント―ミッションの重要性

アメリカで活躍するエージェントの友人は、「どの会社に所属するかは、その会社が掲げるミッションで決めている」と話していました。アメリカでは基本がフリーエージェントですから、どこに所属するかをミッションで決めることが当たり前にはなっています。
もしあなたがお金を稼ぐことを第一の目的とするなら、「お金を稼げます!」という旗を掲げる会社に身を置くのが大事です。
それもまた一つの有効なミッションであり、その信念に基づいた働き方が、長期的な成功につながると考えられます。
一方で、企業によっては「お客様を大切にし、エージェント自身を尊重する」文化を重視しているところもあり、自分自身がどのような働き方を望むかを明確にすることが重要です。

お客様第一の姿勢―エージェントの本質

不動産エージェントの本質は、お客様の代理人として、その方々のライフスタイルや希望に寄り添い、最適な住まい(不動産)を提案することです。

  • 信頼関係の構築:お客様が迷っている時に背中を押し、間違った選択をしている場合には正しい方向へ導く。
  • プロとしての責任:お客様の大切な取引に関わるため、知識や経験、そして誠実な対応が求められます。お客様の代わりに決断を下す、責任を持ってその取引を行うということは、誠実であればあるほど難しい。自分ならどうするか、自分を信じられるのか、常に自分自身がその答えを出すことに疑いを持ち、自分が納得できるまでとことん調べ尽くすことが大事です。

未経験者が経験を積むための実践的アプローチ

日々の情報収集と現場体験

  • 興味を持って行動する:不動産情報を検索したり、実際に物件を見学する、住宅展示場や見学会に積極的に参加することで、知識が自然と身についていきます。
  • 実践を重ねる:現場での体験を通じて、理論だけでは得られない実践的なスキルを磨くことが可能です。

実は以外と簡単なようで難しいのが経験の積み方です。まず不動産エージェントの素質として、不動産や建築、人に興味があるかどうか。興味があれば誰に何を言われることもなく情報収集に出かけるはず。そこに興味が持てないのであれば、不動産エージェント=お金が稼げるという勘違いを起こしています。お金を稼ぐために不動産の道に入りたいのであれば、お金稼げます!という旗が出ている会社に行くべきだと思います。未経験でお金が稼げるとすれば、過酷な飛び込み営業や電話営業が待っているとは思いますが。

身近な人との関わりから学ぶ

  • 相談に乗る:知り合いや周囲の人の不動産に関する相談に応じることで、実際の業務の流れやお客様対応のコツを学ぶことができます。
  • コミュニケーションの大切さ:質問や意見交換を積極的に行い、経験を積むことで自信を育んでいきましょう。

ネットワークと信頼関係の構築

信頼関係はビジネスの成功に欠かせません。

  • アメリカでは、副業として不動産エージェントを行い、ブランドショップの顧客を信頼できるエージェントに紹介して紹介料を得るケースも一般的です。
  • 大切なお客様を紹介する際には、相手の信頼に応える対応が求められ、これがエージェントとしての価値を高めるのです。

経験を積むためにどこかの不動産会社に働いて勉強をしようとする人がいます。未経験で不動産会社に就職できるとすれば、飛び込み営業や電話営業をするか、事務仕事の雑用くらいではないでしょうか。それでも不動産業界の一部を見ることはできます。しかし、不動産エージェントとして成功するためのスキルは学べません。不動産エージェントは顧客の代理人ですから、飛び込み営業や電話営業とは全く違う世界なのです。一番の近道は自分のメンターを見つけることです。自分がなりたいエージェント像を明確にし、その人のやり方を覚えるのです。ここにもまたミッションがでてきます。自分の周りの人の不動産に関する相談を自分で受けるのではなく、自分のメンターに紹介し相談を受けてもらうのです。自分に自信がなくても、いいエージェントを紹介することはできるはずです。アメリカではこの方法で経験を積んでいくのが当たり前なのです。

不動産仲介営業マンと不動産エージェントの違い

不動産仲介営業マンは「物件ありき」

  • 物件の収集と管理:仲介営業マンは、売買や賃貸に向けた物件情報をいかに多く集め、管理するかが業務の中心となります。
  • 数字重視の評価:成約件数や取引額など、数字で示される成果が重視されるため、効率的な物件の取り扱いが求められます。

不動産エージェントは「人ありき」

  • お客様との信頼構築:エージェントは、お客様一人ひとりのニーズを理解し、最適な提案をすることがミッションです。
  • 選ばれる存在になる:成功する不動産エージェントは、お客様から選ばれる存在でなければなりません。
    ― そのためには、単なる物件情報の提供ではなく、信頼や安心感、そしてパーソナルな対応が求められます。

成功への鍵―努力と情熱
お客様に選ばれるためには、日々の努力と情熱が不可欠です。

  • 継続的な学び:不動産や市場の動向を常に把握し、知識とスキルを向上させる努力が求められます。
  • 誠実な対応と絆の構築:お客様だけでなく、業界内のネットワークを大切にし、信頼関係を築くことで、長期的な成功へと繋がります。

結論―未経験でも挑戦する価値は十分にある

不動産エージェントは、資格や経験がなくてもチャレンジできる分野です。しかし、成功するためには以下の点が重要です。

  • 努力と情熱:どんな分野も最初は知識も経験もゼロ。好きなことならば、努力も苦にならず自然とスキルが身についていきます。
  • 自分の強みとミッションの確認:自分がどんな人間になりたいのか、どのような働き方を望むのかを明確にし、それに合致した会社やネットワークを選ぶこと。
  • お客様を第一に考える姿勢:不動産は人生で高額な取引が行われるため、プロとしての知識、経験、そして誠実な対応が求められます。

未経験だからといって不安になる必要はありません。自分自身を信じ、日々の学びと実践を積み重ねることで、必ず成長できる道があります。これから不動産エージェントとしての一歩を踏み出す皆さんに、心からエールを送ります!











この記事を書いた人

不動産エージェント 藤木 賀子

スタイルオブ東京(株)代表。
25歳で建築業界に入り、住宅・店舗・事務所・外構の営業・設計から施工まですべてを経験。
世界の建築に興味があり、アジア・北米を中心に建築を見て回り、いい家を追求すべく世界の家を研究。結果、いい家とは『お客様の価値観』にあることに気づき、自分が作るよりお客様の代理人としてお客様の想いを可視化・具現化・実現化することが出来る不動産プロデュースの道に。
これまでの経験とスキルを、不動産エージェントとして活躍したい人に向けて発信中。


著書『私は不動産エージェント』販売中!