不動産エージェントにどうしてなりたいの?

“コレクティブ研究家” 久保有美さん
暮らしの選択肢を広げたい!

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「コレクティブ研究家」久保有美さんは、人と人がつながる暮らし方を目的とする賃貸物件(コレクティブハウス)の管理運営や、入居予定者同士が集合住宅づくりにスタートから関わるコーポラティブハウスなどに会社員として関わりながら、人の暮らし方を見つめてきました。
そしてフリーランスとして働く現在、ワタシゴトのオンラインサロンメンバー
でもあります。
どうしていま不動産エージェントになりたいの!? 話を聞きました。

久保 有美 ・・・1986年生まれ 京都府京都市出身
コレクティブ研究家/賃貸不動産経営管理士
2014年宅建取得 大学卒業後、建築会社へ就職。
その後、賃貸運営会社へ。「賃貸住宅の可能性」と「顧客にとっての本当に幸せな暮らし」を追求する中で2020年に独立。
現在、不動産フリーエージェントとして自立活躍すべく『ワタシゴト』で勉強中

久保ちゃんとはもともと仕事で交流があるよね。今回、この「まなべる不動産」で不動産エージェントについて勉強会をはじめた際に、久保ちゃんはすぐ参加してくれました。それで、今回はなぜ不動産エージェントになりたいのか?を聞かせてもらおうと思っているんだけど、まずは自己紹介してもらいましょう。いまの肩書はコレクティブ研究家?

はい、「コレクティブ研究家」です。前職のコプラスでは、コレクティブハウスの管理運営の仕事を主にやっていました。
もともとは京都出身で社会福祉の勉強をしていまして、北欧を中心としたコレクティブハウスの暮らし方や考え方に興味を持っていました。京都でも介護福祉を使ったリフォームとかをやっていたんですけど、やっぱりコレクティブ自体をやってみたいと思っていたので、前職のコプラスに押しかけて、入社した感じです。7,8年学ばせてもらって、現在フリーで取り組んでいます。

コ レクティブハウスに関心を持つっていう出発がユニークだよね。

父親がインテリアの仕事をしているってこともあって、住宅から社会福祉に対してアプローチする発想になったのかもしれません。住み方とかコミュニティの在り方みたいな部分に、不自由な人のサポートの視点があればより暮らしやすい社会になるだろうと。例えば日本でも、阪神淡路大震災の時に災害復興住宅がそうした役割を果たしていたことが注目されたりしました。
2008年・2009年頃から、コモンスペースの活用という観点で様々なアイディアが出てくるようになって、コレクティブハウジング社というところがずっとやっていたり、コプラスもそうですが、コレクティブやコーポラティブの考えがかなり一般的になったように感じます。

具体的にコプラス時代に関わったのはどんな物件かな?

特に私が深くかかわっているのは町田の「まちのもり本町田」というコミュニティ賃貸ですね。これは、一つの集合住宅の中に、普通の賃貸とコレクティブという2つの暮らし(入居方法)があるという実験的な物件で、「地域や隣人と緩やかにつながる暮らし」をコンセプトにしています。その管理・運営に関わっていて、入居希望者の対応もしています。
彼らと話をしていると、「私はそういう暮らし方に興味がなかったんだけど、すごくいいね」と共感を持ってもらえることが多いんです。

暮らし方への共感が入居の決め手になっている。

前職でも、もともと都市計画をやっていた方が社員にいらっしゃったりします。そこからも分かる通り、合意形成のプロセスをすごく大事にすることが(普通の賃貸と)違いますね。ほかの方にも「入居者と何時間も話をして、そのコミュニティに参加するっていう気持ちがあって入ってくる人たちだから、問題が起きないですよ」って話していますが、その通りだなと感じています。

昭和的というか、ある意味少し前の暮らし方だよね。

ご近所付き合いがないというか、隣にだれが住んでいるか知らないという状況が、私は京都から出てきていることもあって、考えられないんですよね。ただ、互いを知らない暮らしを否定するわけではなくて、「隣の人を知っている」暮らしがあってもいいと思うんです。私が取り組んできたコーポラティブハウスも、よく周囲から「長屋みたいだよね」と言われるんですけど、少し前はお隣にお醤油を借りに行く暮らしがあったじゃないですか。そんなイメージです。

では本題に入りますが、そんな久保ちゃんがいま、サロンに参加してくれて、不動産エージェントになりたいのはどうしてなんだろう?

「暮らしの選択肢を広げたい!」と思っていて。
コミュニティ賃貸の案内をしていると、ここにはこういう人が住んでいますよ、こういうルールがありますよ、としっかり話をして決めてもらうので、長い方だと2時間近く話すんです。それで気に入って入居してもらえる方とは、問題も起こりませんし、自然と長い付き合いになります。
不動産ってご縁とタイミングだと言われていて、私もそう思うんですけど、加えて「担当者との縁」もあると思います。「久保さんに出会ってこの物件に決めたよ!」と言ってもらえることが多いんです。

久保ちゃんのお客さんになっているんだ。

そうですね、価値観が近い方が集まるというか。それでお客さんに対して、会社の中ではできなかったこと、もっと幅広く会社の垣根を越えて物件を紹介するとか、賃貸ではなく購入を提案するとか、もっと親身になって暮らしの相談に乗りたいと思ったんです。

不動産エージェントになれば、賃貸の選択肢だけじゃなくて、話してみて「買った方がいいんじゃない?」ができる。そうじゃなくて、いまは賃貸に住んだ方がいいけど、3年後くらいに買ってもらうのがいいなとか、その人が生涯顧客になるような提案の仕方ができるようになるよね。

そうですね。なのでそれに合わせて、こちらの働くスタイルも変わってくる必要があるのかなと思います。

お客さんを選ばないと、こっちの仕事もどんどん大変になるよね。それに不動産業界ってBtoBの案件もあって、その対応に忙殺されたり、業者間が邪魔になってぴったりの物件を紹介できないとか。
エージェントになって、その壁をぶっ壊すような働き方をしてほしいよね。

久保ちゃんには何度かサロンに顔を出してもらっているけど、不動産エージェントについて、当初と比べてイメージはどう? 変わったりした?

変わったというわけじゃないんですけど、たとえば勉強会の中で、実際にハワイで働いているエージェントの方の話を聞かせてもらって、アメリカの不動産エージェントはこういう仕事の仕方をしてるんだよ!って話を聞いているうちに、より具体的な働き方のイメージがつかめてきました。

それまでの説明では理解してもらえなかったってこと?(笑)

そういうわけじゃないんですけど(笑) 
でも、日本だと藤木さんしかいないじゃないですか。イメージしにくいのかも。

彼らがどうやって一連の仕事をしているか、「日々のルーティン」みたいな話をしていたことが響いたのかもしれないね。営業のために、どういうつながりをもつ必要があって、こんなことをしているとか、なかなか聞けない話だと思うから。
アメリカの場合、オープンハウスに誰か来たら、家の紹介よりも前にまず、「あなたにエージェントはいますか?」って聞くわけ。で、いなかったらまず「自己紹介させて!」って、自分を売り込むんだよね。

不動産エージェントになるのと並行して、私の考え方や、取り組んできたことに共感してくれるお客さんを増やすことが大切だと思います。その一方で、ひとりでも多くの人に信頼されるために、やらなきゃいけないこともあるかと思っているんですが。

わたしが不動産エージェントを日本で広めるにあたって、いっしょに考えているのは、さっきもちょっと言ったけど、「私にもお客さんを選ばせてくださいね!」っていうことなんだよね。
たとえば久保ちゃんのところに10人お客さんが来たとしたら、10人全員がお客さんになるとは思えないじゃない? これは不動産業界だけでなくどこでもそうだと思うけど。そのうちの1人か2人が、ずっと付き合えるようなお客さんになってくれるならいいじゃない?

そうですね、そうだと思います。私は大手の不動産賃貸のようなハードな仕事についてはあまりやらないですが、コミュニティ賃貸のような柔らかい賃貸をずっと手掛けてきたので、よりそういった志向のお客さんと出会ってきたかも。

私は、不動産エージェントはライフスタイルの代理人というか、アドバイザーであるべきだと思っていて。感覚の問題もあるから、当然合わないこともあって、その時は私じゃなくても、私以外の信頼できるエージェントを紹介できればいいなと思っているんだよね。

サロンでは、みんなそれぞれの専門分野で面白い人が集まっているでしょ? だから、そのひとたちが全員エージェントになったらすごく楽しいと思わない?

はい、設計をやっている人がエージェントをやってサロンに参加していたり、それぞれが(エージェントになることで)プラットフォームになれるのかなと思います。
私はもともと不動産業界出身ですが、そうでなくてもなれますか?

全然大丈夫でしょ。久保ちゃんの「コレクティブ研究家」のように独自のライフスタイルを研究しているって形で、あるいはそこまでいかなくても、こういう暮らしあったらいいなとか、SNSで発信している主婦の方とかがいまはたくさんいるから、そういうひとたちが(エージェントに)向いてると思うんだよね。
たとえばこの前もカメラマンの人で面白い人がいたじゃない?

カメラマンだけど、コミュニティスペースの運営もやっている方ですよね。コミュニティ誌も書いていらっしゃるとかで。

そうそう。そういう人がエージェントも兼業してやったらいいと思うんだよ。やった分だけ収入にもなるし、関係も広がる。

あとは働き方の問題ですよね。
私はフリーランスを選択しましたが、会社の中にいると(社則などで)どうしてもできない状況もあります。単純作業のようなやらなきゃいけない仕事も多いですし、一方で会社の中にいることが大事だと思っている人もいます。

そうだね。でもこれからは、そもそも会社が永続していくかどうかわからないよね。
自分がスキルを身に着けておけば、会社に居続けてもいいし、フリーになってもいいという「選択肢のある状態」を作れる。心が自由であることの方が、これからの働き方には重要になると思っています。
だから久保ちゃんみたいなひとが理想だと思って、これからの働き方の指針として、大事になってくると思うんだよね。

何か急に重荷を背負わされたような(笑)

会社にいる人も、自信がなかったら、まず『ワタシゴト』で勉強してもらうといいね。始めるのは1年後でもいいし、自信がついてからでいい。自分発信で好きな暮らしとか、趣味とかを発信する人になってみる。
そしたら会社に言ってみてもいいじゃん。業務委託で、仕事は好きだけど働き方が合わないからエージェントをさせてとか。自分の好きな工務店さんとかがあると思うし、お客さん紹介する仕事をさせてって言ったら喜んでもらえるよ。

不動産会社とは付き合っていかないといけないですよね。私は仕事上付き合いがありましたが、なかなか(物件の)情報を出してくれないとか、何もつながりがない方だと不安に感じそうです。

そこは「負けない力」だよ(笑)
お客さんの理想をかなえるエージェントですから、気持ちで負けないことも大事です。でもテクニカルな部分もあるので、その点はサロンで教えるから安心して。

どんどん勉強して、理想のエージェントになれるように
がんばります!


不動産エージェントへの道のりは始まったところの久保さん
駆け出しエージェントとして、これからこの不動産エージェント育成メディアである「ワタシゴト」を通していろいろと一緒に学ぶメンバーです。
あなたの不動産シゴトを応援する「ワタシゴト」では、オンラインサロンを
今後開いていきます。まずは、ワタシゴト会員になってみてくださいね。




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インタビュー

不動産エージェント 藤木 賀子

スタイルオブ東京(株)代表。
25歳で建築業界に入り、住宅・店舗・事務所・外構の営業・設計から施工まですべてを経験。
世界の建築に興味があり、アジア・北米を中心に建築を見て回り、いい家を追求すべく世界の家を研究。結果、いい家とは『お客様の価値観』にあることに気づき、自分が作るよりお客様の代理人としてお客様の想いを可視化・具現化・実現化することが出来る不動産プロデュースの道に。
これまでの経験とスキルを、不動産エージェントとして活躍したい人に向けて発信中。






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