不動産フリーエージェントになるために必要な「知識」とは?資格を得るための勉強方法

不動産フリーエージェントに必要な3つのスキルのうち、これまで「人間力」と「対話スキル」について考えてきました。

今回は、最後に残った「知識」スキルについて調べていきましょう。

エージェントに必要なスキルについては、こちらから

今回の記事は不動産業界で働き始めて間もない人、もしくは全くの初心者が不動産フリーエージェントになるための知識を学ぶ方法を説明しています

不動産フリーエージェントになるために必要な「知識」スキルとは?

これまで何度も繰り返し述べてきたとおり、不動産フリーエージェントに求められるのはクライアントの幸福を実現すること。

そのためにはクライアントが本当に叶えたいと思っている願いが何かを「可視化」し、それを具体的に提案することによって「具現化」し、最終的に物件の契約という形で「実現化」しなければなりません。

その一番最初の段階である「可視化」のために絶対に必要なのが、「知識」なのです。

クライアントのイメージしている願いは漠然としていることが多く、それをハッキリとした形に可視化するにはしっかりとした知識にもとづいた質問や対話が欠かせないからです。

クライアントの数だけ願う幸福の形は異なりますから、不動産フリーエージェントには彼らの幸福を実現するために建築に関する知識はもちろん、金融や経済、法律、マーケティングなど幅広い分野の知識が求められます。

逆に言えば、自分の知識スキルを向上させることが、すなわち不動産フリーエージェントとしての自分の幅を広げることに直結するのです。

ですから、不動産フリーエージェントは自分の知識スキル向上のための継続的な努力が求められます

ではこれから不動産フリーエージェントを目指す人は、どんな勉強をしたらいいのでしょうか?

自分が不動産フリーエージェントとしての必要な知識をしっかり持っているかどうかを第三者にもハッキリと明示できるのが、「資格」です。

資格=その人が求められる知識を有している証

そのため不動産フリーエージェントを目指す人は、必要な資格をとらえることを目指しましょう。

不動産フリーエージェントに必要な資格とは?

不動産関係の資格として真っ先に思い浮かぶのが、「宅建士」の資格でしょう。

実際、不動産業界で働く多くの人が宅建士の資格を有しています。

宅建士とは

宅建士は「宅地建物取引士」の略で、不動産取引の専門家であることを示す資格です。

毎年20万人前後が受験する、日本で最大規模の国家資格試験であり、特別な受験資格はありません。

年齢や学歴に関係なく、誰でも受験することができます。

宅建士しかできないこと

宅建士になると、宅建士にしか許されていない「独占業務」を行えるようになります。

宅建士の独占業務は、以下の3つ。

  • 重要事項説明書の説明
  • 重要事項説明書への記入
  • 契約書面への記入

宅建士になることには多くのメリットがありますが、これらの独占業務を行えることは宅建士の非常に大きな強みとなっています。

不動産フリーエージェントに宅建士の資格は必須?

結論から言うと、不動産フリーエージェントになるのに宅建士の資格は必須ではありません。

なぜなら、不動産フリーエージェントに求められる業務の多くは、宅建士の資格がなくても行えるからです。

アメリカでは必要なライセンスがないと、不動産の営業を行うことはできません。

しかし日本では宅建士の資格がなくても、営業活動を行えます。

クライアントの要望を聞き、それに最適な物件を紹介する。

こうしたことを行うのに、宅建士の資格は関係ありません。

話が最終的にまとまり、重要事項を説明して契約書面にしていくことは宅建士にしか許されていません。

しかし実はそこまでもっていくのが不動産フリーエージェントとしての腕の見せどころであり、最終的な契約の段階で必要な業務を、宅建士の資格がある人に委ねてもいいわけです。

とはいえクライアントの立場から言えば、ここまで親身になって相談に乗ってくれたエージェントが最後の最後に変わってしまうというのは、やはりある種のやるせなさを感じるでしょう。

不動産フリーエージェントとしての信頼にも関わります。

そして何より最初のフックとして、宅建士の資格があるかないかでは、クライアントの信用を得るのにも大きく影響するでしょう。

不動産フリーエージェントに宅建士の資格は必須ではありませんが、やはりなるべく取っておいたほうが望ましいと言えます。

宅建だけではない!不動産フリーエージェントに必要な知識

不動産フリーエージェントとして取っておいたほうが望ましい宅建士の資格ですが、未経験者や不動産業界で働き始めたばかりの人がいきなり宅建の試験に挑戦するのはおすすめできません。

その理由は以下の通り。

  1. 宅建試験は1年に1回のみ
  2. 専門的な知識が求められる
  3. 宅建と実務の知識は異なる

宅建の試験は1年に1回だけで、合格率は15%程度。

初心者がいきなり挑戦して一発で合格できる、というものではありません。

そのため、宅建の試験にのぞむには十分な準備が必要となります。

また宅建の試験に出される質問は法律に関するものであり、専門用語も少なくありません。

そのため、不動産に関する知識がゼロの人がいきなり宅建の試験勉強をするのは非常に効率が悪い。

例えば、ITのことを全く知らない人が勉強のために本を読んでも「Java」、「ブロックチェーン」、「COBOL」などの単語の意味が分からなければ、そもそも勉強にもなりません。

同じように宅建の試験勉強をするにも、ある程度の前提となる知識を学ぶ必要があります。

そして一番重要なのが、宅建士のための知識と、実務のための知識は異なるという点です。

宅建の試験は宅建業法、民法、法令上の制限、税その他など、法律に関する問題が出されます。

勉強しさえすればそうした知識は身につきますが、実務となるとまた異なった知識が求められます。

不動産フリーエージェントとして活躍するには宅建のための知識ではなく、実務に役立つ知識も学ばなければなりません。

こうした3つの理由から、不動産フリーエージェントには宅建士資格取得の前に、ぜひ身につけてほしい知識があります。

宅建士取得の前に取っておきたい3つの資格

こちらのチャートが宅建士の資格を中心とした、不動産フリーエージェントに必要な資格(知識)をまとめたものです。

この図をもとに、不動産フリーエージェントに必要な知識について見ていきましょう。

不動産キャリアパーソン

不動産キャリアパーソンは、不動産取引で実際に必要な実務知識の習得に重点を置いた通信教育資格講座です。

そのため、特に不動産営業未経験者におすすめしたいプログラムです。

特徴:インターネットで誰でも手軽に受講できる

期間:修了試験の修了を含め、申込み日から12か月(再受験含む。期間延長不可)

受講料:8,800円(税込)

学習教材:テキスト学習とインターネットの講義動画による通信教育

URL:https://www.zentaku.or.jp/about/career/

不動産基礎研修

出典:不動産基礎研修HP https://www.suisin-kiso.jp/

不動産基礎研修は不動産業務に初めて従事する人、これから従事しようと考えている人が、必要な不動産基礎知識を一から学べる通信講座です。

このプログラムは不動産会社の教育研修にも適しているため、不動産会社に属している人が不動産フリーエージェントを目指すための足がかりとして最適です。

特徴:第Ⅰ段階で不動産取引の基本、第Ⅱ段階で専門知識と段階的に必要な知識をオンラインで学べる

期間:第Ⅰ段階/おおよそ8週間、第Ⅱ段階/おおよそ4週間

受講料:13,500円(税込/テキスト代含む)

学習教材:「宅地建物取引業務の知識」をベースに、インターネット通信講座向けに独自に企画・編集したもの

URL:https://www.suisin-kiso.jp/

宅建アソシエイト

出典:宅建アソシエイトHP https://www.takken-as.jp/

宅建アソシエイトは主に宅建資格取得前の人を対象にし、不動産売買仲介の現地において適切な対応をとるために必要な知識や意識を学ぶための制度です。

不動産キャリアパーソン、もしくは不動産基礎研修を修了した人が、宅建試験を受けるための準備として受講するのがおすすめです。

特徴:全部で4つのステップを終了すると「宅建アソシエイト」に認定され、宅建資格取得の大きな足がかりとなる

対象者:宅地建物取引業従業者で、主として宅地建物取引士資格を未取得の人

受講料:登録講習機関によって異なる

学習教材:業界4団体と連携した体系的な教育研修プログラム

URL:https://www.takken-as.jp/about

住宅ローンアドバイザー

住宅ローンアドバイザーとは、構成な立場で的確なアドバイスや情報提供を行う住宅ローンの専門家です。

不動産フリーエージェントになるために必ずしも必要な資格ではありませんが、住宅ローンに関する正確な知識は非常に重要。

なぜなら、インターネット上などで紹介されている住宅ローンの説明は、不正確なものや具体性に欠けるものが多いからです。

住宅ローンに関する正確な知識を持っていなければ、そもそも何が不正確かも分かりません。

そのため宅建士の資格を取る前でも取った後でも、一度受講することをおすすめします。

URL:https://www.loan-adviser.jp

宅建資格取得後に目指したい2つの資格

「不動産キャリアパーソン」もしくは「不動産基礎研修」、そして「宅建アソシエイツ」を経て無事に宅建士の資格を取得したとしても、不動産フリーエージェントに求められる知識スキルの向上が終わるわけではありません。

不動産フリーエージェントの目的はクライアントの幸福実現ですから、そのための手段(知識)を多く知っておくことに越したことはないからです。

そのため、ここからは宅建士取得後に目指してほしい資格を2つ紹介しましょう。

宅建マイスター

宅建マイスターは不動産物件取引に内在するリスクを予見し、徹底的な調査によって安全な取引を成立させる建物取引のエキスパートです。

近年、仲介業務における苦情や紛争相談の内容の半分が「調査や説明に関すること」となっており、十分な調査と説明によって取引を行う宅建マイスターの需要が急激に高まっています。

宅建マイスター試験概要】

受験資格:①宅地建物取引士証取得後、5年以上の実務経験を有していること。②実務経験は5年未満だが、「不動産流通実務検定(スコア)」で600点以上を得点していること。

受験料:13,000円(税込)

試験内容:売買契約、重要事項説明(記述式試験)

URL:https://www.retpc.jp/meister/

宅建マイスター試験は、宅建士としての実務経験が5年なければ受けることができません。②の条件をクリアしても、宅建マイスターを名乗るにはやはり5年以上の実務経験が必要となります。

宅建マイスターの資格は不動産取引のエキスパートであることを証しするものですから、不動産フリーエージェントとしてクライアントからの信頼を勝ち得るのに十分なものです。

2022年1月に予定されている試験が第6回と、始まったばかりの制度ですが、これから不動産フリーエージェントを目指す人が目標にできる資格の一つとなっています。

不動産コンサルティングマスター

不動産コンサルティングマスター制度は、「不動産流通推進センター」が国土交通大臣の登録を受けて実施する登録証明事業です。不動産コンサルティングを行うために必要な知識や能力に関する試験を行い、要件を満たして登録した人は「公認 不動産コンサルティングマスター」として認定されます。

宅建マイスターと不動産コンサルティングマスターの違いは、宅建マイスターが的確な重要事項説明を行う宅建業務のプロフェッショナル。一方の不動産コンサルティングマスターは、相談業務を含む不動産総合業務のプロフェッショナルとされています。

そのため不動産コンサルティングマスターの資格は、コンサルティング業務も行う不動産フリーエージェントにとってぜひ取得を目指したい資格です。

不動産コンサルティングマスター試験概要】

受験資格:宅地建物取引士資格登録者、不動産鑑定士登録者、一級建築士登録者

受験料:31,000円(税込)

試験内容:択一式試験及び記述式試験

URL:https://www.retpc.jp/consul-exam/

不動産フリーエージェントとして知識スキルを伸ばし続けるために

このように、不動産フリーエージェントを目指す人には「知識」スキルを伸ばすための継続的な努力が求められます。

そのためには、やはり以前に説明した「当たり前の習慣化」が非常に重要。

目の前の課題だけではなく、自分はなぜこの知識が必要なのか、手に入れた知識スキルが自分の目的の達成にどのように役立つかを意識しながら、努力を続けていきましょう。

そのような意識的な努力を続けるなら、知識スキルを伸ばすために学ぶことが当たり前になり、必要な資格を得ることができるでしょう。

そしてその「当たり前の習慣化」のために大切なのが、適切な「手段」を見つけることです。

その手段となる、2つの役立つコースを最後に紹介します。

フォローアップカレッジ

出典:フォローアッププログラムのHP https://www.retpc.jp/fup/

フォローアップカレッジは、不動産業界に携わる人が知識スキルアップのための継続的な学習の場として機能しています。

年間を通じて学ぶことができ、Zoomによるオンライン講座や動画学習なども提供しています。

特徴:年間を通じて、不動産取引に関する知識を学べる

受講料:<A会員>年間料金(新規申込み)/40,000円(税込)、<動画会員>年間料金/10,000円(税込)

学習教材:動画、オンライン講座など年間約60講座

URL:https://www.retpc.jp/fup/pages/college

スコア

出典:不動産流通実務検定HP https://www.retpc.jp/score-kentei/index.html

TOEICのように、不動産フリーエージェントとしての自分のレベルを測るのに最適なのが、「不動産流通実務検定(通称”スコア”)」です。

”スコア”では法律に関する知識ではなく、不動産取引に関する実務力を測ることを目的としています。

不動産取引についてのトラブルや事故が増加している中、各企業や不動産会社もこの”スコア”の結果を高く評価しています。

点数という数値によって客観的に自分の実力を測ることができるため、知識スキルアップのモチベーション持続にも役立ちます。まずは”スコア”で600点以上を目標に頑張りましょう!

特徴:1000点満点の得点と、8科目の科目別正答率で自分の実力を客観的に評価できる

受験料:5,000円(税込)

受験方法:PCやタブレット端末を用い、 150分で100問をノンストップで解答(自宅でも受験可能)

問題内容:重説、契約、査定、賃貸、建築、税金、相続、その他(証券化、海外不動産など)

URL:https://www.retpc.jp/score-kentei/index.html

自分一人で勉強を続けることは、簡単なことではありません。

しかし「当たり前の習慣化」を意識しながら、フォローアップカレッジやスコアのようなスキルアップのための適切な「手段」をしっかり活用するなら、必ず不動産フリーエージェントとして必要な知識スキルを伸ばすことができるでしょう。

まとめ

不動産フリーエージェントを目指す人は、「不動産キャリアパーソン」もしくは「不動産基礎研修」、そして「宅建アソシエイト」を経ての宅建士というステップを踏むことによって、継続的かつ効率的に必要な知識と資格を身につけることができます。

そして無事に宅建士の資格を得た後も、不動産フリーエージェントとしての知識スキルアップは継続していきます。

「当たり前の習慣化」を意識しながら、学ぶための努力を続けていきましょう。

「フォローアップカレッジ」や「スキル」のような最適な手段を活用するなら、無理せずに学び続けることができるでしょう。

その結果として「宅建マイスター」や「不動産コンサルティングマスター」という、より高レベルの資格を取得するなら、不動産フリーエージェントとしての活躍の場をさらに広げることもできます。

まずは始めの一歩から。

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