[土地を買って注文住宅を建てたい」お客様の土地探しをスムーズに進める方法
はじめての住宅購入となれば、なにもかもわからないことばかり、そんな中お客様のご希望の土地を探すのは一苦労です。なぜ大変なのか?それは「わからないことばかり」だからです。実はお客様にとって良い土地に巡り合えても「不安」という理由で購入に至らないことも良くある話です。不安の解消には正しい情報を提供することです。現実を知ることで土地探しはスムーズに進めることができます。
お客様が欲しい家は本当に土地購入+注文住宅なのか
「土地を買って注文住宅を建てたい」のでしょう。
①新築建売は自分の好みではない
②建てたい建築会社が決まっている
③中古は不安
こんな理由ではないでしょうか。
まずはじめに確認しておきたいのが「本当にそうですか」ということです。
①新築建売は自分の好みではない
では自分の好みの家が建売だったとしても買わないのでしょうか?
建売が好きじゃないから、中古住宅を買ってリノベーションしたいと相談に来たお客様が結局建売を買うことは珍しくないことです。住宅は建築の好き嫌いだけでなく、場所の好き嫌いや予算という条件があります。最後は場所と予算、そこに手頃な広さと値段の新築建売があれば注文住宅という選択肢は妥協されてしまいます。実は新築建売は好みないと言っていたのは、キッチンのことだったというケースも多く、新築建売を買ってLDKだけ素敵にリフォームできることがわかると建売でも満足ということもあるのです。
②建てたい建築会社が決まっている
いつかはその建築会社の建てる家に住みたいという熱烈なファンがいますよね。家の値段はわかっていても、いざ土地を探してみたら総予算が合わなくても土地を買うでしょうか。
場所と予算が変えられなければ、家の値段を下げるか、面積を小さくするかになりますが、面積を小さくすることは現実的ではありませんよね。いつかはその建築会社の建てる家に住みたい!という夢を諦めて、予算に合う建築会社を探すか。またはその建築会社の家を建てるために、場所を変更するか。いずれにしても大きなネガティブな選択をしなければなりません。家は幸せに暮らすために買うものですから、土地を探す前に現実的な話をしてから進めるべきだと思います。
③中古は不安
雨漏りとかシロアリとか古い物件は何年住めるかわからないなど、建築のことを知らないお客様は中古と言うだけで不安に思います。しかし中古でもちゃんと手入れがしてあったり、買取再販業者がリノベーションをして新築そっくりになっていたりする物件を見れば中古の悪いイメージもなくなり、注文住宅を建てなくてもよいかなと思うお客様も多いはずです。
住宅購入で優先順位が高いのは場所と予算
戸建を買いたいと思ったらまず土地を買って家を建てようと思うはずです。しかし、土地を探し始めたり、建築会社を訪問してみたりすると段々と予算が見えてきて、予算と場所が妥協できなければ、建売や中古を買うことになります。戸建てと言っていた方がマンションを買うことにするというケースも珍しくはないとおもいます。つまりはじめは土地を探しますが、色々な情報が増えていくと、よほど注文住宅を建てたい人でない限り他の選択肢を選んでしまうということです。
土地を買って注文住宅を建てられる人
①予算が上げられそうな人
年収や自己資金などの資金計画や場所や建築のプランが納得できれば予算を上げてもよいと考えられる人
②希望の場所が定まっていない、または変更できそうな人
沿線や距離感や生活環境などの条件はあるものの、具体的な場所が決まっていない、または同じような環境であれば駅や駅までの距離を妥協することができる人
③注文住宅への拘りが強い人
家を建てることが明確であれば、場所・予算・広さなどをやりくりするだけです。
お客様が土地を買って注文住宅を建てられる人であるならば、あとは土地をどうやって探すかです。
土地探しの始まりは都市計画と相場の話から
土地探しをスムーズに進めるためには現実的な条件を考えてもらうことです。
例えば家族4人で住む家の条件が1階にLDKが20帖以上と水廻りが一緒になっていることだとします。
そのプランを実現するために必要な坪数は1階が20坪、2階建で40坪
40坪の家を建てる場合、建築費はいくらかかるかを計算します。坪80万円なら3200万円総予算が諸経費を入れないで7000万円なら土地代が3800万円です。
まず、3800万円の土地が住みたい場所にあるか・・ですよね。
そして2階建て、1階が20坪、2階が20坪と考えると土地の面積はどのくらい必要かです。
住宅を新築する際には様々な規制があります。まず都市計画という町のルールがあります。その土地に建てて良い面積の割合を決めています。それを建蔽率、容積率といいますが、建蔽率はフレームの大きさ、容積率は延床の面積です。
例えば建蔽率50%の場所であれば、土地が30坪であればフレームは15坪まで。20坪のフレームを作りたければ40坪の土地でないといけません。
建蔽率70%のところでしたら、約30坪の土地であれば良いという話です。3800万円の土地の予算でしたら、建蔽率50%の場所なら坪95万円の土地、建蔽率70%の場所なら坪126万円の土地が買えます。
40坪の家が欲しいけどLDKの広さは拘らないということであれば、ワンフロア―13坪の3階建ができます。そうなると建蔽率70%のエリアであれば19坪程度の土地でよいので、3800万円の土地予算なら坪200万円の土地が買えます。
つまり考えるべきポイントは、必要な面積が2階建てでないといけないのか、3階建てでもよいのかによって、建てるために必要な土地の面積が決まります。
そしてまた予算に戻ります。
総予算から逆算した土地代ですが、上記の通り必要な土地面積は建蔽率、容積率によって異なります。必要な土地が大きいほど坪単価の予算を下げなければ土地の予算に収まりません。どうしても広さと環境に妥協できなければ総予算を上げるか、建築の予算を下げるしかありません。
欲しい土地が見つかってから、予算の関係で建築の予算を下げなければならないのはまたこれもテンションが下がってしまい、せっかくの楽しいマイホームが台無しです。
ここまで読んでいただけたらもうお分かりかもしれませんね。
土地を買って注文住宅を建てるために一番初めに考えておきたいこと
住みたい場所の都市計画と坪単価を知ることです。
住みたい街のHPから簡単に建蔽率、容積率を検索することができます。
例えばこの杉並区成田東4丁目は建蔽率50%です。
先ほどの例のように1階が20坪の2階建て延べ床40坪の家を建てたい場合、土地を40坪買わないといけないということです。
土地相場を坪230万円と考えると40坪で9200万円です。土地は自分が欲しい面積ぴったりで買えるわけではないので、約1億くらいは予算として考えておきたいところです。
現実的な場所と建築費に絞り込む
住みたい場所、住みたい広さが現実的に収まりそうであれば問題ないですが、現実的でない場合は、総予算、場所、建築費を再度考えてみます。
総予算が変わらないのであれば、まずは建築費です。40坪が絶対必要なのか?30坪でいいのか?坪単価100万円の仕様に拘るのか?仕様を落とせるのか?ですね。そして場所が絶対なのか。行ったり来たりするようですが、初めにこの作業をしておけば、土地を見つけてから予算があわない!という残念な気持ちになることは防げます。
例えば先ほどの例で杉並区成田東の場所に40坪の家を建てようとすれば、建蔽率50%容積率100%ですので、2階建てで40坪の土地は必要です。価格は約1億円でした。そこから少しエリアをずらした梅里2丁目は建蔽率60%容積率200%になります。
角地は建蔽率が70%になるので角地に40坪の3階を建てることにしましょう。
必要な土地の広さを約20坪とすると坪単価250万円とすると土地代は5000万円です。総予算はかなり開きがでますね。
好きな街の雰囲気は実はこの都市計画が重要です。建蔽率、容積率が小さいということは、庭の部分が大きくなるので、緑が多い閑静な街並みになるということにもなりますね。
まとめ
不動産の価格は相場があります。まずは住みたい場所の相場と都市計画から建築可能な面積を確認!それに建築費をプラスしても総予算に収まりそうかどうか!ギリギリいけそうなら、あとはどうやってやりくりするかです。
やりくりこそプロの腕の見せ所!
「土地を買って注文住宅を建てる」土地をスムーズに探す方法は
まずはお客様を判断する
①土地を買って注文住宅を建てる人なのかを見極める
②現実的になりそうな条件をもっているかどうか
現実的な条件に絞り込む
①都市計画からその土地に建てられる制限と土地相場を理解して頂く
②土地の相場と建築できる大きさ、総予算の検証をする
土地を買って注文住宅を建てたいお客様にとって、建築の部分は一番の不安材用です。最後は楽しく暮らすことをどう実現するかです。不動産エージェント(代理人)は顧客の代理人としてつねに安全で楽しい最短ルートをみつけるべきではないでしょうか
そんな信頼できる不動産エージェントとして「良い土地探し」をスムーズにする話し方できていますか?伝え方ひとつであなたの印象が変わります。
この記事を書いた人
不動産エージェント 藤木 賀子
スタイルオブ東京(株)代表。
25歳で建築業界に入り、住宅・店舗・事務所・外構の営業・設計から施工まですべてを経験。
世界の建築に興味があり、アジア・北米を中心に建築を見て回り、いい家を追求すべく世界の家を研究。結果、いい家とは『お客様の価値観』にあることに気づき、自分が作るよりお客様の代理人としてお客様の想いを可視化・具現化・実現化することが出来る不動産プロデュースの道に。
これまでの経験とスキルを、不動産エージェントとして活躍したい人に向けて発信中。
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