不動産エージェントのための集客方法

不動産に限らず、ビジネスで一番難しいのが、どのようにお客を集めるか?いう集客方法です。

特定の会社に属さない、不動産エージェントであればなおさらでしょう。

では、不動産エージェントが多く活躍している本場のアメリカでは、どのようにクライアントを確保しているのでしょうか?

アメリカにおける不動産エージェントの集客方法

アメリカの不動産エージェントは個人事業主として不動産会社とコミッション契約し、クライアントの物件の購入や売却を代理人としてサポートします。

そのため、クライアントも基本的には自分で探さなくてはなりません。

そうした中でクライアントを見つけ出すために彼らが取っている方法を大きく分けると、次の2つです。

  1. 様々なコミュニティに参加する
  2. 自分を常にアピールする意識をもつ

この点について、詳しく見ていきましょう。

コミュニティ内でのアピール

クライアントを見つけるには、人脈を広げることが一番の近道。

そのためエージェントは、いろいろなコミュニティに属することが必須条件となっています。

全米不動産協会や特定のビジネスグループなどのオフィシャルなコミュニティはもちろんとして、ゴルフ愛好家が集まるコミュニティや園芸、ツーリング・グループなど、趣味や同好の士が一緒になるコミュニティなどにも積極的に参加することが重要になります。

そうしたコミュニティに属し、個人的なつながりを築いて人脈を広げていく。

その上で、自分が不動産エージェントであること、そして自分の成果などをアピールしていきます。

コミュニティ内で人脈を広げ、自分のことを信頼してくれる人が増えてくると、自然とそうした人たちが自分のクライアントになってくれます。

直接の知り合いではなくても、コミュニティの中で「不動産を探している?〇〇さんがエージェントやっているよ!」と紹介してくれることも珍しくありません。

まずは数多くのコミュニティに参加して、自分のことをアピールすることが集客の第一歩。

しかしアメリカの不動産エージェントは、コミュニティ外でも自分をアピールすることに余念がありません。

コミュニティ外でのアピール

これは実際に、アメリカのシアトルで目にしたことです。

不動産エージェントの講師もしている方は、「私は朝、家を出るときに名刺を3枚ポケットに必ず入れていきます」と話していました。そしてスターバックスでコーヒーを買うときに、店員さんに「家を買うことがあったら私に連絡して!」と名刺を渡していました。

Photo by Robert Bye on Unsplash

さすがアメリカ!といった感じですが、このアピール力こそが彼らの強みです。

家から一歩外に出たら、自分は不動産エージェントだ!という意識を強く持ち、そのことをアピールする機会を見逃しません。

もちろん日本で全く同じようにすることは難しいかもしれませんが、彼らのこうした姿勢や努力には見倣うべきところも多いでしょう。

アメリカの不動産エージェントの集客方法が分かる?おすすめ映画2本

ここで、アメリカにおける不動産エージェントの姿を描いている映画を2本紹介します。

彼らの営業スタイルを映画を通して、彼らの営業スタイルを垣間見ることができるでしょう。

ホーンテッドマンション

「ホーンテッドマンション」はそのタイトル名の通り、ディズニーランドの人気アトラクションをモチーフにしたホラー・コメディです。

エディ・マーフィー演じる主人公のジムと妻のサラは、不動産業を営んでいます。家族旅行に出かける当日に突然「屋敷を売りたい」という相談が舞い込み、騒動に巻き込まれていく…。

ストーリー自体は不動産エージェントとは関係ありませんが、いかにもアメリカっぽいエージェントの姿が描かれています。

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」は、ニューヨークのブルックリンが舞台。モーガン・フリーマン&ダイアン・キートンが演じる老夫婦が、40年住み慣れた眺めの良い部屋を売却し、新しい住居を得るために奮闘する姿を描きます。

彼らの姪が不動産エージェントで、クライアントの気持ちを捉えられない、身勝手なエージェントの姿を映し出しています。

もちろん映画なので、2本とも実際よりも大げさかつディフォルメして描いていますが、アメリカのエージェントの営業スタイルを知る助けになるでしょう。

日本ではどのように集客するか?

本場アメリカの不動産エージェントの集客方法について、ある程度は理解することができました。

では、ここ日本で不動産エージェントが顧客を見つけるにはどうしたら良いでしょうか?

基本的な考え方は、アメリカと変わりありません。

  1. 様々なコミュニティに属する
  2. 自分を常にアピールする意識をもつ

ただ、日本に合わせて少しアレンジする必要があります。

その方法について、見ていきましょう。

身近なコミュニティを大切にする

いまだにムラ社会の影響が根強く残る日本では、アメリカ以上に「口コミ」が大きな力を持っています。

そのため、コミュニティ内での発信やアピールが非常に重要になりますが、新しいコミュニティに飛び込んでそうしたことを行うのはちょっと難しい。

ムラ社会であるがゆえに、新しい参加者はすぐには受け入れてもらえないからです。

Photo by Tiago Rosado on Unsplash

そのため自分が今、属しているコミュニティを大切にしましょう。

と言っても、そんなに難しく考える必要はありません。

なぜなら誰でも必ず、何かしらのコミュニティに属しているからです。

例えば…

  • ママ友グループ
  • 以前の会社の同僚たち
  • 学生時代の友人
  • LINEやFBのコミュニティ
  • インスタやTwitterのフォロワー
  • etc...

これらはあくまで一例にすぎません。

普段あまり意識していないかもしれませんが、誰しも様々なコミュニティに属しているものです。

こうしたコミュニティの中で、自分をアピールしていきましょう。

もちろん同時に、参加するコミュニティの数を増やしていく努力も継続的に必要になっていきます。

まずは自分が今、属しているコミュニティから自分をアピールする

そしてそこからさらに、人脈を徐々に増やしていくのです。

では、どうやって自分をアピールしたら良いでしょうか?

不動産エージェントとしての自己アピールの方法

自己アピールは、日本人が最も苦手とする分野かもしれません。

会社の説明はいくらでもできるけれど、自分のことはアピールできない、という人も多いのではないでしょうか?

では、不動産エージェントとしての自分をどのようにアピールしたら良いでしょうか?

アメリカのように、出会う人に誰彼かまわず名刺を渡して自分の存在を主張する、というやり方は日本ではあまり上手くいきません。

「え、なにこの人?怪しい…」と思われてしまうのがオチだからです。

そのため、まずは今自分が属しているコミュニティの中で、自分をアピールしていきましょう。

とはいっても、自分の友人や知り合いに営業する、ということに抵抗を感じる人は少なくありません。

でも、「自己アピール=営業」ではないのです。

営業するのではなく、まずは自分のことを知ってもらう。それが目的です。

自分が不動産フリーエージェントであることを、機会を見つけて伝えましょう。

日本では不動産エージェントという職種がまだまだ珍しいため、友人や知り合いなら「不動産エージェントって何?」と聞いてくるでしょう。

そのときに、不動産エージェントが顧客の希望に寄り添って、不動産取引の手伝いをする存在であることを伝えます。

しかし、そこで営業をかけるわけではありません。

相手が不動産取引を希望しているかどうかは分からないからです。

むしろ、不動産のことで何か困ったことがあったらいつでも相談してね!と言うにとどめます。

Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash

いつかこの人が不動産のことを考えたときに、自分のことを思い出してもらえたら良い。そういうスタンスで、自己アピールを行うわけです。

また、普段の会話やコミュニティの中で不動産や建築、ファイナンスの話題になったら、積極的に意見しましょう。営業のためではなく、あくまでもアドバイスをする、情報を提供するというスタンスで自分の意見を伝えます。

そうすると、相手や話を聞いている人は、「あ、この人は本当に不動産のプロなんだな」と認識してもらえるでしょう。

そのように普段から相手が必要としている情報を発信することを心がけていれば、必要なときに自分のことを思い出してもらえうに違いありません。

相続に関すること、家を買うこと、売ること、借りること、そして貸すこと。そうした自分の強みを、ふさわしいタイミングで話すことをためらわないでください。

そうすれば、その話し相手はもちろん、その人の知り合いが不動産のことを考えるときに、自分のことを思い出して紹介してもらえるでしょう。

そう、不動産エージェントを本当に必要としている顧客になってくれるのです。

SNSでの情報発信も忘れずに

不動産エージェントとしての自分をアピールするのに、やはりSNSの活用は欠かせません。

不動産の写真というのは「映える」ため、インスタに物件の画像を上げるのは非常に効果的。

ほかにもTwitterなどで不動産に関する情報や、自分の成果などを積極的にアピールしていきましょう。

SNSもりっぱなコミュニティの一つですから、普段から意識して情報発信していきましょう。

自分を売り込むことが一番の集客方法

不動産エージェントが扱うのは単なる不動産物件という「モノ」ではありません。

むしろ、顧客が本当に望んでいる「コト」が何かを見極め、その実現に全力を傾けます。

顧客を幸せにするのは不動産そのものではなく、それが顧客にもたらす「コト」だからです。

この不動産エージェントとしての基本的な考え方は、集客方法にもダイレクトに反映されます。

目の前にある不動産物件を売り込むのではなく、あくまでも顧客の幸福実現が目的。そのためこちらの都合で売るのではなく、相手の売りたい・買いたいタイミングに合わせます。彼らが本当に不動産を必要としている時に、自分のことを思い出してくれれば良いのです。

その時に自分のことを思い出してもらえるように、自分のことをアピールする。それが不動産エージェントにとって一番の集客方法。無駄な営業をする必要がないため、その方が実は効率的でもあるのです。

コミュニティ内で、しっかりと自分をアピールする。

相手にとって有益な情報を伝え続ける。

こうした普段の地道な活動こそが、不動産エージェントにとって一番の集客方法なのです。

そのためにはやはり、「人間力」や「知識」、「対話力」スキルの向上が不可欠となります

ぜひ、これらの記事も参考にしてください。

不動産エージェントの営業方法とは?

コミュニティの中でしっかりと自分をアピールしていけば、自ずと不動産に関する相談や質問を受けるようになります。

では、その際にどのように販売につなげる営業をしたらいいのでしょうか?

その点については、また改めてご紹介します。






この記事を書いた人

不動産エージェント 藤木 賀子

スタイルオブ東京(株)代表。
25歳で建築業界に入り、住宅・店舗・事務所・外構の営業・設計から施工まですべてを経験。
世界の建築に興味があり、アジア・北米を中心に建築を見て回り、いい家を追求すべく世界の家を研究。結果、いい家とは『お客様の価値観』にあることに気づき、自分が作るよりお客様の代理人としてお客様の想いを可視化・具現化・実現化することが出来る不動産プロデュースの道に。
これまでの経験とスキルを、不動産エージェントとして活躍したい人に向けて発信中。






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