不動産エージェント~知識をつける~『住宅ローン最新トレンド』
住宅ローンもネット銀行がお得!?
エージェントのための最新トレンド分析
ちょっと前までは、住宅ローンを借りるためには銀行を訪れるのが当たり前でした。しかしネット銀行(ネットバンク)が普及している今、住宅ローンもオンラインで気軽に申し込めるようになっています。
しかも簡単でより便利になっただけではなく、金利などの条件面でもネット銀行には多くのメリットがあります。
そしてそのことは、クライアントも良く知っています。
金融関係に関心のあるクライアントほど、ネット銀行などについても詳しく調べています。
そのためプロの不動産フリーエージェントとしては、やはり住宅ローンの最新トレンドについてもしっかり把握しておかなければなりません。
そこで今回は、ネット銀行で住宅ローンを利用するとどれほどお得になるのか?各ネット銀行に実際に審査してもらった結果をふまえて、検証していきたいと思います。
【モデルケース】
今回は以下のようなケースを想定しています。
- 30代半ばの夫婦、子どもはいない
- 自己資金:50万円
- 職業:システムエンジニア
- 年収:512万円
- 物件価格:3,280万円
- 諸費用:268万円
- 借り入れ希望金額:3,540万円
この条件で、都市銀行とネット銀行それぞれで住宅ローンを申し込んだ場合の結果を見ていきましょう。
都市銀行(みずほ銀行)に借り入れを申し込んだ場合
初めは、従来どおりに都市銀行に住宅ローンの借り入れを申し込んだ場合の各種条件です。
ちなみに、下の表記はこれまでの経験上のものであり、実際に審査をしてもらったわけではありません。
みずほ銀行の場合、住宅ローンは保証料を一部前払いする方式と、保証料が金利に含まれている2タイプが存在しますが、どちらの場合でも物件価格の3,280万円は満額で借り入れ可能です。
ただし、諸費用の268万円の借り入れまでは難しいでしょう。
もし諸費用までも含めて借り入れをお願いすると、金利が高くなってしまったり、保証料を高くなるなどの条件面がさらに厳しくなってしまいます。
【都市銀行の住宅ローンの特徴】
- 安定した収入の見込みがあれば、物件価格は満額借り入れ可能
- 諸費用の借り入れは難しい
ネット銀行に借り入れを申し込んだ場合
では、同じ条件でネット銀行に住宅ローンを申し込んだ場合はどうなるでしょうか?
実際に審査をしてもらった、3社の結果がこちらです。
PayPay銀行と住信SBIネット銀行の2行では、諸費用も含めた3,540万円の借り入れが可能でした。
auじぶん銀行が満額に届かなかったのは、大もとが三菱UFJ銀行のため、審査が厳し目なのだろうと推測しています。
ただ、3行ともに金利は都市銀行よりも低く、保証料は0円。さらに年収条件もより緩やかになっています。
【ネット銀行の特徴】
- 金利が低い
- 諸費用も借り入れが可能
- 全体的に条件が都市銀行よりも緩い
ネット銀行は金利が低いので、クライアントにとっても非常に有利な条件で借り入れが可能です。
また諸費用も含めた総額での借り入れが期待できるため、自己資金が0でも住宅購入を検討できるのも非常に大きなメリットでしょう。
ネット銀行のデメリット
良いことづくめのように見えるネット銀行ですが、一つ大きなデメリットもあります。
それが、申込者自身で手続きを行わなければならないということ。
都市銀行であればエージェントが同行したり、書類準備などもお手伝いできますが、オンラインで完結するネット銀行ではクライアントが自分で手続を行わなければなりません。
ネット銀行で借り入れたい、というようなクライアントであればそもそもネットリテラシーも高いため、あまり心配する必要もないかもしれませんが、大切なことなのでしっかり銘記しておきまそう。
まとめ
ネット銀行は今や当たり前の存在となりました。
そのため、完全オンラインでの住宅ローンの申し込みなど、一昔前までは考えられなかったことも簡単にできるようになっています。
ネット銀行では人手を限りなく抑えた結果、金利など非常に有利な条件で住宅ローンの借り入れが可能です。
こうした最新トレンドをしっかり押さえておくならクライアントへの提案の幅も広がりますし、何よりもプロのエージェントとしての信頼感にも直結します。
住宅ローン一つとっても、不動産フリーエージェントは最新のトレンドについていくために常にアップデートしていかなくてはなりません。
絶えず勉強して、クライアントに最善の提案を行える不動産フリーエージェントを目指していきましょう!
この記事を書いた人
不動産エージェント 藤木 賀子
スタイルオブ東京(株)代表。
25歳で建築業界に入り、住宅・店舗・事務所・外構の営業・設計から施工まですべてを経験。
世界の建築に興味があり、アジア・北米を中心に建築を見て回り、いい家を追求すべく世界の家を研究。結果、いい家とは『お客様の価値観』にあることに気づき、自分が作るよりお客様の代理人としてお客様の想いを可視化・具現化・実現化することが出来る不動産プロデュースの道に。
これまでの経験とスキルを、不動産エージェントとして活躍したい人に向けて発信中。
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